受付に身を乗り出す私を引っ張ってきたのは、花織さんだった。



「こっち来て。他の人の迷惑になるでしょ」


「私、日向に会わないと…会いに行かないと!」


「はあ?だから、なんで彼女でもないあんたが日向に会いに…」


「好きだから。日向のことが、好きだから!彼女の花織さんにこんなこと言うなんて最低だってわかってる。だけど、私は日向が好きなの。日向が死ぬなんて考えたくない。私は日向とずっと一緒に生きていく覚悟があるから」



花織さんは驚いたように目を大きく見開いた。


誰になんと思われたっていい。



だけどたった一人、日向だけは失いたくない。



「…はーなんなの本当。あんたが嫌なやつじゃないことくらい、ちょっと一緒にいただけなのにすぐにわかった。日向が選んだ人なんだもん。そんなの当たり前でしょ。私は日向だけが好き。…だから、日向だけには幸せになってもらいたいの」



花織さんが初めて私に笑顔を見せてくれた。