…なんか小坂くんって近寄りがたくて怖いイメージがあったけど、実は優しい人なのかな。



「てか、そんなこと言ったら俺みたいなやつが恋愛とか青春小説読んでる方が幻滅だろ」


「え、そんなことないよ!いつもコメントくれるのすごい励みになるし読んでくれてるの嬉しい」



…そっか。いつもコメントくれてたのは、今私の目の前にいる小坂くんなんだ…。


こんなに身近にいたなんてびっくりしたけど、ちょっとだけ嬉しいな…。



「…じゃあ俺もう行くから、スマホ返したかっただけだし」


「あ…」



もう少し話してみたかったけど、小坂くんは背を向けてさっさと行ってしまった。


こんなに学校で人と話したのも、小坂くんと会話をしたのも初めてで、その日はそわそわしてしまいよく眠れなかった。