「ねえ、あの子でしょ?友達の悪口書いたって…」


「うわ、本当だ。怖いよねー」



あれから一週間が経ち、噂話は多少落ち着いてきてはいるが陰でコソコソと言われるのは変わらずだった。



「言いたいことあんなら直接言えよ!」



私を庇うようにして前に立った山崎くんに、遠巻きに見ていた女子たちは罰が悪そうにそそくさと行ってしまった。



「ありがとう、山崎くん」


「いいって、友達だろ」



山崎くんはあの事件の次の日、私に土下座をする勢いで謝ってきた。


ついかっとなって周りが見えなくなっていただけで、なんの証拠もなしに私を疑ったことを何度も何度も謝ってくれた。


そして私を信じると最後に付け加えてくれ、何事かと見守っていたクラスメイト達にも誤解だったということは伝わったようだった。