ちゃんと、結愛ちゃんと向き合わなくてはいけない。





結愛ちゃんに連れてこられた場所は、この前のカフェだった。



「本当に何も食べなくていいのー?ここのケーキはなんでも美味しいのに」



アップルパイと紅茶を頼んだ結愛ちゃんが、ミルクティーしか頼まなかった私に不服そうにしながらもメニューを片付けていた。



「…結愛ちゃん、今日小坂くんが人殺しって黒板が荒らされていて、すごく大変だったの。小坂くんは否定もしないで帰っちゃって、すっかりクラスメイトは小坂くんを軽蔑や疑心の目で見てる。小坂くんと仲のいい友達は、小坂くんの過去をあの学校で唯一知っていた私が犯人だと思ったみたいで、私たちもみんなバラバラになっちゃった。昨日まで笑い合っていたのが嘘みたいにね」


「へぇ…そんなことがあったんだ」


「結愛ちゃん、だよね?紙を貼ったのは」



結愛ちゃんは綺麗な笑顔を貼り付けたまま首を傾げた。



「どうして私だと思うの?私は蓮の彼女だよ?」