そういえばさっきの一ノ瀬くんは素で話していたけど、莉央にバレて平気だったのかな…。



「…そうか」


「え?」



ふと、ある考えに辿り着く。


複雑に絡み合っていた違和感の糸がやっと一本に繋がった。



「ごめん、莉央!私、行くとこがある!」


「え?あ、空!」



莉央の制止の声も聞かずにとにかく走る。



そうか、やっとわかった。


ずっと感じていた違和感。それは、一ノ瀬くんに似ていたから。