「あ、うん」



慌てて先に歩き出していた一ノ瀬くんの後を追う。



「…あ」



ふと、向こう側から歩いてきた莉央の姿を見つけ、思わず足を止める。



「…空。空ぁ…っ」



ぶわっと泣き出した莉央が突進する勢いで私に抱きついてきた。



「ごめん、私自分のことばっかりで空のそばにいられなくて…っ。真紘と小坂くんがあんなこと言うなんて、信じられなくて悲しくて、頭にきて…」


「莉央…。ううん、いいよ。莉央だってびっくりしたよね」


「…いや、よくないでしょ」



私と莉央を引き剥がした一ノ瀬くんが、私を庇うようにして前に立った。