「ちょっと、いい加減にしてよ真紘。もしかしてだけど、空のこと疑ってんの?」



私を庇うようにして莉央が前に立った。



「いや、そういうわけじゃないけど…このこと知ってたの、萩原さんだけだろ?なあ蓮?」


「それは…」



小坂くんと目が合った。


まるで小坂くんも私を疑っているような、そんな気がした。



「ちが…っ、私じゃ…」



たしかに疑われても無理はない。


人を寄せ付けていなかった小坂くんが、こんな大事なことをペラペラ話すとは思えないし、唯一知っている私にしかできないことだ。


それでも、私はやっていない。こんな方法で小坂くんを傷つけるようなことは絶対にしない。