人混みをかき分けてなんとか教室の中に入る。


黒板には隠し撮りのような制服姿の小坂くんの写真が貼られていて、吹き出しで文字が書かれていた。


『人殺し、小坂蓮』『実の母親を殺した』


そんな言葉がでかでかと黒板に書かれていて、思わず言葉を失う。



「なんだこれ…誰がやったんだよ！」



人を押し退けるようにしてやってきた山崎くんが、ざわざわとしている生徒たちに向かって怒鳴った。


その後ろには莉央と、小坂くんの姿も。



「誰だよ！こんないたずら…趣味がわりぃぞ！」


「いい、山崎。やめろ」


「な…っ、でもおまえ、こんなデマ流されて…」


「デマじゃない。俺が…俺のせいで母親が死んだのは本当のことだから」