結愛ちゃんが悲しそうに目を伏せた。



これだけ可愛いかったらそりゃ男子にもモテるだろう。


私じゃ経験したこともないからわからないけど、モテることはいいことばかりじゃなくてそれなりの苦労もあるに決まっている。



「私じゃ、ダメかな…?結愛ちゃんの友達」


「…え?」


「私もね最近まで友達がいなくて、退屈だった日常が小坂くんのおかげで少しずつ変わったの。私は結愛ちゃんのこと嫌いじゃないよ。話してみたいって思ってくれてすごく嬉しかった。だから私でよければ、結愛ちゃんの友達になりたいんだけど…」



結愛ちゃんが驚いたように一瞬だけ目を見開くと、にこっと微笑んだ。



「嬉しい、ありがとう。私も空ちゃんと友達になりたいな」



…その時、何かが引っかかった気がしたけど、その違和感がなんなのか私にはわからなかった。


連絡先を交換しようと結愛ちゃんに誘われたことでハッと我に返り、いつの間にかそんな違和感もどこかに行ってしまっていた。