「えっと…結愛ちゃんは、どうして今日私を誘ってくれたの?」


「さっきも言ったでしょ?文化祭の日から空ちゃんともっと話してみたいなーって思ってたからだよ」


「でも私はどこにでもいるような普通の人間だし…そう言ってもらえる要素なんてどこにもないよ…?」


「蓮が空ちゃんのこと一度だけ話に出してきたことがあるんだ。空ちゃんも知ってると思うけど、蓮は過去に色々あって人を寄せ付けなくなっちゃったじゃん?だから気を許せる友達ができたみたいで嬉しかったの。そんなきっかけを作ってくれた空ちゃんには感謝してる」



にこっと綺麗な微笑みを向けられ、曖昧に笑い返す。


やっぱり結愛ちゃんは近くで見ても可愛いくて、話しているだけなのに緊張してしまう。


こんな子が小坂くんの彼女だなんて、入り込む隙もない。



「…最近の蓮、すごく楽しそうだもん。ちょっと羨ましいな。私には友達がいないから」


「…え?」


「私、昔から嫌われることが多くて、中学の時にはいじめられてたの。高校入ってからも友達なんてできなくて、そばにいてくれるのはずっと蓮だけだから。今の蓮が少し眩しい」