あんなのヤキモ…。



「いやいや、ないないない」


「は?」


「あ、ううん、なんでも!」



都合よく解釈してしまいそうな頭を慌てて振って、自分に言い聞かせる。



そんなわけないんだから、勘違いするな。


あれには別になんの意味もないんだから…。





「あ、空ちゃん」



校門を出たところで名前を呼ばれて振り向くと、白石さんがにこやかに手を振っていた。