きっと今から白石さんのところに行くんだろうな…。



暗いことしか考えられない頭をぶんぶんと振って、書き上げた日誌を持って立ち上がる。


あとはこれを担任の先生に出しに行くだけだ。早く出して私も帰ろう。



カタンと扉の方から物音がして、もしかして小坂くんが戻ってきたのかとバッと振り向く。



「…一ノ瀬くん?」



そこにいたのは、小坂くんなんかじゃなくて一ノ瀬くんだった。



「小坂かと思った?」


「…え?」



つかつかと近寄ってくる一ノ瀬くんに、体が自然と後退りをしていてあっという間に壁際まで追い詰められた。



「さっきたまたまここ通りかかった時に一部始終見ちゃって。俺、人の気持ちとか結構敏感な方だからわかっちゃったんだけど、萩原さんって小坂のこと好きでしょ」