日向は苦しそうに心臓をおさえながら丸まっていた。



「日向!」



人の目なんて気にしている暇もなく、人混みをかきわけて日向の元へ駆け寄る。



「日向、大丈夫?日向!」



日向がいなくなってしまう気がして、ぎゅっと手を強く握る。


日向は苦しそうにしながらも、そっと薄く目を開けた。


久しぶりに目が合ったというのに涙で視界がぼやけてよく見えない。



「みんな下がって、大丈夫だからね」



保住先生や担任の先生が慌てたように教室に入ってきた。


そして日向はそのまま病院に運ばれていった。