「…え？」


「あんたは簡単に変わった。いつまでも同じ場所にい続ける俺と違って、自分の殻から抜け出せたんだ。…どうしたら、あんたみたいに強くなれるんだ？変われるんだ…？」


「…そっか、小坂くんは、変わりたいんだね」



一人で罪を感じながら人を遠ざけて生きてきて、小坂くんはそんな自分を変えたいと思ったんだ。



「…俺が他の人みたいに幸せを願っちゃダメなことくらいわかってる。だけど…」



黙り込んでしまった小坂くんが今、何を思い出しているのかわからなかった。


わからなかったけど、小坂くんの本音は痛いほどよくわかった。



私だってこんな弱い自分をずっと変えたいと思っていたから。


そしてこんな私を勇気づけてくれたのは、他の誰でもない小坂くんなんだ。



「幸せを願っちゃいけない人なんて、この世にいないよ。私に無限の可能性があるって教えてくれたのは、小坂くんだよ。私を変えてくれたのは小坂くんなんだよ。小坂くんは自分で気づいていないだけで人を幸せにする力を持っている。それを私が証明するよ」