日向の心にはもう大切な人がいたんだ。



「…俺、先に下行くね。担任のとこにも寄らないとだから」


「あ、うん…」



日向の姿が見えなくなり、一気に涙で視界がぼやけた。



「ふ…っ、うう…っ」



もう終わってしまったんだ。


きっとこれからは今までみたいに日向と笑い合ったりなんてできない。


そばにいられない。



さっきまでは伝えないと後悔すると思っていたのに、今は伝えたことをすごく後悔していた。


一人で舞い上がって先走って、馬鹿みたい。