「今ボールが頭に当たったのが見えたけど、大丈夫?」


そーちゃんが、私の顔を覗き込んだ。


「だっ、大丈夫だよ」


そーちゃんや水上くんまで来てくれたからか、バスケ部の人やギャラリーの女の子たちが「何だ何だ」とザワザワし始める。


生徒の視線が一斉に自分へと集まるのが分かり、頬が熱くなる。


皆に、余計な心配をかけさせたくなくて。

私は、もう一度ニコッと微笑んでみせる。


「本当に大丈夫だから」


そう言って立ち上がろうとしたとき、おでこにわずかな痛みが走り、私は顔をしかめてしまった。


「……っ」

「ったく。何が大丈夫なんだよ」