「え……そーちゃんが、私の彼氏?!」


突然のことに、私は固まってしまう。


「か、彼氏に立候補だなんて……」


そーちゃんのことだから、もしかしてアメリカンジョーク的な感じで言ったのかな?


「おい、想良。アメリカから帰ってきて早々、なに星奈のこと口説いてんだよ」


黙々とご飯を食べていた陽向が、口を開く。


「もし、からかってるだけだったらやめとけ」

「ひどいなあ、陽向。いくら僕でも、からかってこんなこと言わないよ。僕は本気だ」


私を見るそーちゃんの目は、真剣そのもの。


「なに? 僕にそんなことを言うってことは、もしかして陽向も……せーちゃんのことが好きなの?」


私のことを好きかって。こんなところで何を聞いてるの、そーちゃん。


心臓がものすごい速さで、鼓動を打つ。


「彼女のことが好きだから。陽向は、僕がせーちゃんの彼氏に立候補するって言ったのが気に入らない。そうだよね?」