「一之瀬くんたち、すごかったね」
「ほんと」
陽向たちの試合後、笑顔の天音ちゃんに私は頷く。
「次は、あたしたちの試合だね」
ストレッチをする天音ちゃんに言われて、私はゴクリと唾を飲み込む。
「2年7組と3年4組のメンバーは第2コートに集まってください」
しばらく天音ちゃんと体育館の隅で準備運動していると、体育館内にアナウンスが響き渡る。
いよいよだ……! 私たちはコートに駆けていき、整列する。
目の前に立っているのは、バスケ部の人が半数という3年生の対戦チーム。
皆さん背が高くて、なんだか強そう。
優勝候補とも言われているからか、コートの外で見ている観客の数も意外と多くて。
人に見られてるって思うと、途端に心臓が騒がしくなってくる。
やだ。また緊張してきちゃったよ。
さっき陽向に励ましてもらってからは、緊張が一旦落ち着いていたのに。
人の目が、たくさんあるからかな?
「よろしくお願いします!」
元気よく互いに挨拶をして、コートにバラけていく。
「スーハー」
試合開始のホイッスルが鳴る前に、私はどうにか気持ちを落ち着かせようと何度か深呼吸するも、ドキドキはまだ治まらない。
やばい、どうしよう……。