苦手な雷に不安でいっぱいで、つい陽向のところへ行きたくなるけれど。
陽向は今、入浴中だから無理だ。
ゴロゴロゴロッ!!
「きゃあっ」
私はその場にしゃがみこみ、両耳を手で塞ぐ。
ほんと嫌だ。雷、早くおさまって……。
ゴロゴロゴロゴロ、ズドーーンッ!!
だけど、私の気持ちとは裏腹に雷の音はどんどん大きくなるばかり。
「うう……」
声が無意識に口から漏れ、身体がカタカタと震える。
怖い、怖いよ……。
更に、窓の外がピカッと光ったと思ったら。
バリバリバリッ!!
より一層大きな雷が鳴り響き、同時に部屋の電気が消えてしまった。
「えっ、うそ。停電!?」
家中が真っ暗で、何も見えない。
ヤダヤダ、どうしよう──!