「違う。ダメって、そういうことじゃない」
え?
「今日はもう時間が遅いから、ダメっていう意味で。また明日にでも教えてやるよ」
「いいの?」
「ああ。それに……あのときは、星奈に『好きっていうのはウソ』って言われたのがショックで。カッとなってつい、絶交だって言ってしまったけど。今日までずっとそのことを後悔してた」
陽向……?
「あのとき俺は、本当に星奈と絶交したかったわけじゃない」
「そう、だったんだ。良かったぁ」
陽向からその言葉を聞けて、ホッとする。
「だから、俺たち……これまで通り幼なじみの関係に戻ろう」
「うん!」
まさか、陽向から改めてそう言ってもらえるなんて。
「まあ、このまま幼なじみで終わらせるつもりはないけどな」
「え?」
それって、どういう意味?
「さあ。おばさんも心配してるし。星奈、帰るぞ」
陽向が、乗ってきた自転車にまたがる。
「ほら、突っ立ってないで。早く俺の後ろに乗れよ」