放課後。


──タン、タン。


私は隣町のバスケットゴールがある公園でひとり、バスケの練習をしていた。


あのあとの体育の残り時間でも、結局私は一度もシュート出来なかったから。


自主練をしようと思って家には帰らずに、この公園にやって来て1時間ほどが経過。


オレンジ色だった空は藍色に染まり、辺りはだんだんと暗くなってきた。


だけど、あともう少しだけ……。


「ああ、またダメだぁ」


放ったボールが思いきりバスケットゴールに当たって、跳ね返ってくる。


昼間の学校の体育のときから数えると、もう何度もシュートの練習をしているのに。


未だに一度もシュートが決まらないなんて。


私ったら、どれだけ運動オンチなんだろう。


自分のあまりの出来の悪さに、目にじんわりと涙が浮かんだとき。


キイイイ。


「星奈!」


激しいブレーキ音がし、いきなり私は誰かに名前を呼ばれた。


「えっ、陽向!?」


公園の出入口にいたのは、なんと自転車にまたがった陽向で。


自転車からおりると、陽向はこちらへと向かって走ってきた。