「あっ、ありがとう。助けてくれて」
「ううん? オレは何も。練習、お互い頑張ろうね」
にかっと笑うと、水上くんは陽向のもとへと走って行った。
「星奈〜。ごめん、あたし助けられなくて」
しばらく水上くんのほうを見ていたら、天音ちゃんが私に抱きついてきた。
「ううん。心配してくれてありがとう」
「でも、こうちゃんに助けてもらって良かったね。あたし、こうちゃんのこと見直した! あんなビシッと言うなんて」
ほんと。ふわふわ癒し系の水上くんが、男子たちにあんなふうに言ってくれるなんて。
「キャーッ!」
男子側のコートで陽向と水上くんがそれぞれシュートを決めたらしく、女子たちから歓声があがる。
陽向も水上くんも、綺麗なフォームで次々とシュートを決めていてかっこいい。
私もあの二人のように少しでも上手くできるように、頑張りたいな。