「……君たち、星奈ちゃんのこと笑ってるけど、何がおかしいの?」
えっ、この声は……。
「オレは、バスケが苦手でも諦めずに一生懸命頑張ってる星奈ちゃん、凄いって思うけどな」
顔を上げると、いつの間にか私の前に水上くんが立っていた。
「さっきからずーっとそこでサボってる、君たちよりもずっとえらいよ」
「う……」
水上くんに言われて、何も言い返せない男子たち。
「誰にでも得意不得意はあるんだから。人のこと、そんなふうに言うのは良くないよ」
「そ、そうだな。悪かったよ、澄野さん」
「ごめん!」
二人はコロッと態度をかえ、私に謝ってくれた。
「おい、お前ら。いつまでそこで休んでんだよ。俺と同じバスケチームになったからには、ビシバシいくぞ」
陽向に睨まれ、男子たちはおとなしく駆けていく。
「はは。オレたちのチーム、ヒナくんがリーダーになったから。これから厳しく特訓させられそうだなあ……はい、星奈ちゃん」
ボールを拾ってくれた水上くんが、私に渡してくれる。