「あの、陽向。それで、さっきの話の続きだけど……」


私が意を決して、陽向に尋ねたとき。


ぐううう、きゅるるる〜。


「あっ」


なんと、陽向のお腹が盛大に鳴った。


「やべ。こんなときに腹が鳴るとか、俺めっちゃカッコ悪いじゃん」


沸騰したかのように、陽向の顔が赤く染まる。


「ふふ。陽向でも、お腹が鳴ったりするんだね」

「あっ、当たり前だろ。俺のこと、何だと思ってるんだよ」


私がずっと持ったままだった餃子の皮とひき肉を陽向が取って、カゴに放り込む。


「ごっ、ごめんね陽向。ふふふ」

「星奈。いくら何でも、笑いすぎ」


ここまで顔を赤くさせる陽向は、珍しくて。


学校では勉強も運動もカンペキな陽向の、いつもと違う一面を見れた気がして。


嬉しくて、私は笑いが止まらなくなる。


「陽向のことを笑っちゃったお詫びに、今夜はとびきり美味しい餃子を作るね」

「ああ。楽しみにしてる。俺、星奈の作ってくれるメシ、好きだから」