「俺が、星奈のことを……」

「あーーっ!!」


陽向の言葉を遮るように、突然明るく大きな声が辺りに響き、私の肩がビクッと跳ねる。


「誰かと思えば、ヒナくんと星奈ちゃんだあ」

「虹輝!?」

「水上くん!」


後ろから私たちに声をかけてきたのは、水上くんだった。


「いや〜。まさか、こんなところで二人に会えるなんて」


水上くんの登場に、場の空気が一気に変わる。


今日は土曜日だからか、よくクラスメイトに会うなぁ。


「二人して何やってんのー? あっ、もしかしてデートとか?」

「デッ……!?」


水上くんにとんでもないことを言われ、私は口ごもってしまう。


デ、デートって! どうしてみんな、外で男女が二人でいたら、そういう発想になるの?


「……ただの買い物だよ。俺たちは幼なじみで、家も近所だから。家族ぐるみで付き合いがあって。今夜は、ウチで一緒に夕飯食うんだよ」


わっ。陽向ったら、私と違ってスラスラと言葉が出てきてすごい。


「そうだよな? 星奈」

「うん、そうなの。親におつかい頼まれちゃって」

「ふーん。そういえば、前にふたりは幼なじみだって言ってたね。いいなぁ、ヒナくん。星奈ちゃんみたいな可愛い幼なじみがいて」


え!