「ああ。それより君はなぜこんな時間にこんな場所にひとりでいるんだ? 危ないだろう」
「えぇと、会社帰りで……でも慣れていて、いつもは大丈夫なんですよ」
耀の口調が夜遊びをする中学生にでも注意しているように思えて反射的に言い訳が出る。
すると耀は整った眉をしかめた。
「実際危ない目にあって何を言ってる」
「……ごめんなさい。助けてもらっていおいて」
なんともいえない冷えた迫力に押され結乃は身を小さくする。
「えーっと、それにしてもなぜこちらにいらしたんですか?」
結乃は気まずさを打ち消すようにたずねる。
まさか御曹司の彼が焼き鳥を食べた帰りだとは思えない。
「この先の料亭での会食が終わって、駐車場まで行く途中だった。そしたら君が男に絡まれていた」
「そうだったんですね」
この近くに有名な高級料亭があるのは知っている。もちろん行ったことはないけれど。
彼はたまたま酔っ払いに絡まれた自分が目に入り、見ぬふりをせず助けにきてくれたのだ。
(無礼をはたらいた私を助けてくれるなんて、案外いい人なのかも……ってそうだ! これって絶好の謝罪チャンスじゃない?)
「えぇと、会社帰りで……でも慣れていて、いつもは大丈夫なんですよ」
耀の口調が夜遊びをする中学生にでも注意しているように思えて反射的に言い訳が出る。
すると耀は整った眉をしかめた。
「実際危ない目にあって何を言ってる」
「……ごめんなさい。助けてもらっていおいて」
なんともいえない冷えた迫力に押され結乃は身を小さくする。
「えーっと、それにしてもなぜこちらにいらしたんですか?」
結乃は気まずさを打ち消すようにたずねる。
まさか御曹司の彼が焼き鳥を食べた帰りだとは思えない。
「この先の料亭での会食が終わって、駐車場まで行く途中だった。そしたら君が男に絡まれていた」
「そうだったんですね」
この近くに有名な高級料亭があるのは知っている。もちろん行ったことはないけれど。
彼はたまたま酔っ払いに絡まれた自分が目に入り、見ぬふりをせず助けにきてくれたのだ。
(無礼をはたらいた私を助けてくれるなんて、案外いい人なのかも……ってそうだ! これって絶好の謝罪チャンスじゃない?)