この店は職場のおじさまたちに連れられてきたのがきっかけ切掛けで知ったのだが、安くておいしいので給料日の度自分へのご褒美のためこの店で一杯飲むことに決めていた。
千香子は『若い女の子は普通オシャレなダイニングにいくんじゃないの?』と笑うがコスパが最高で自分には合っている。
ねぎまは塩、レバーはタレを選ぶ。変わり種のアスパラベーコン串はカリっと焼かれたベーコンの塩気とアスパラがめちゃめちゃ合う。それを生ビールで流し込むおいしさといったら……。
想像で思わず口の中に唾がたまる。
(……でも、しばらくは我慢かな。前にもまして倹約しなきゃ)
食欲を振り切るように店の前から早足で去ろうとした時、肩に掛けたバックに何かがぶつかる衝撃を感じた。
「いってー」
「す、すみません!」
結乃のバックがすれ違った人の腕に当たってしまった。三十代後半に見える大柄の男性は腕を押さえている。
トレーナーにジーパンというラフな服装で既に飲んでいるのか顔が赤く出来上がった状態だ。
「ごめんなさい。腕、大丈夫でしたか?」
千香子は『若い女の子は普通オシャレなダイニングにいくんじゃないの?』と笑うがコスパが最高で自分には合っている。
ねぎまは塩、レバーはタレを選ぶ。変わり種のアスパラベーコン串はカリっと焼かれたベーコンの塩気とアスパラがめちゃめちゃ合う。それを生ビールで流し込むおいしさといったら……。
想像で思わず口の中に唾がたまる。
(……でも、しばらくは我慢かな。前にもまして倹約しなきゃ)
食欲を振り切るように店の前から早足で去ろうとした時、肩に掛けたバックに何かがぶつかる衝撃を感じた。
「いってー」
「す、すみません!」
結乃のバックがすれ違った人の腕に当たってしまった。三十代後半に見える大柄の男性は腕を押さえている。
トレーナーにジーパンというラフな服装で既に飲んでいるのか顔が赤く出来上がった状態だ。
「ごめんなさい。腕、大丈夫でしたか?」