強ばった私に安心を与えようとしてくれているのか、そうしながらも抱きすくめるように成長途中の女体を浮かせた。
「あっ…」
私の身体というのは、ほんの少し触れられただけでこんなにも言うことを聞かなくなるものなの……？
「あの…、緋古那さん…」
「…うん」
抱きしめられている。
背中を浮かせて着物を着させてくれるだけと思いきや、そうではなく。
私はいま、ただただ抱きしめられていた。
「…水月に何かされた？」
「……私なんかは抱く価値もないと、言われました」
「…あいつ…、」
緋古那さんらしくない怒りを含んだ声だった。
そのあと「よかった」とつぶやいた彼は、どこか私の心に幸福をも与えてくれる。
水月さんとは違う腕。
しかしこの腕にも、とてつもない安心があった。
