でも、いつ離れてしまうか分からない。
もう2度と帰っては来なくなってしまうかもしれない。
毎日毎日と時間が過ぎていくたびに、今までの生活が壊れていく音がするのだ。
「そのときは俺が握り飯でも届けてやろう」
「っ…、ぅ…、うぅ…っ」
「あっ、えっ、馬鹿にしているわけじゃないんだよ本当に。ごめん、そういうつもりじゃなかった」
たまたま言われたことくらい、私にも分かっている。
わかっているけど、今の私にはなんとも意地悪すぎる言葉だった。
「…慰めてやることなら俺にもできる」
「わ…っ、ぁ…」
私の手首から移動して、指。
女の自分とは指の太さからこんなにも違うのかと驚かされる。
たかが手を繋がれただけで熱を放出させる私を見て、妖艶に顔をほころばせた緋古那さん。