「私の立場であれば貴様らなど永久追放することも可能なのだぞ……!!一生、牢に閉じ込めることだってできる!!」


「落ち着いてください旦那さま…っ、須磨の無礼は私たちが心からお詫びを……!」


「ええい黙れ!!私に気安く触るんじゃあないッ!!」



暴れる男を必死に押さえる下男や世話役たち。

しかし俺の腕のなかにいる須磨は、ただ俺に会えたことに涙を流していた。



「こいつの無礼は俺が責任を取る。だから、どうか許してやって欲しい」


「なにを生意気な口をッ!!まずはその口から喋れなくさせて欲しいのか……!!」


「だ、旦那さま……!おやめください…っ」



こちらに向かってくる男から、俺は須磨だけを守るために立った。

須磨がどんな無礼を働いたかは知らないが、男の発狂姿からして彼の自尊心をへし折るようなことを言ったのだろう。