「ぁ…っ、まって、んん…!」



上唇と下唇だけじゃない。
触れあうような可愛いものでもない。

唇から全身を食べられてしまうような、むさぼり尽くしてくるような、そんなもの。



「あの男たちは誰?」


「ひゃっ、ゃ…、んぁぁ……っ」



まって、緋古那さん。

お願いだから話を聞いて。


強引にも襟を引っ張られて、首筋から鎖骨が露になればそこに落ちてくる唇。


嫌ではないけれど、「や、や、」と、反射的にも声が出てしまう。



「あいつらから金をもらっているの?」


「っ、それは…っ、まだ、」


「…まだ?」


「まだ、言えない……です」



秘密が、ダメだったらしい。


責め立てられるように歯を当てられた肌に痛みが走った。

そしてつよくつよく吸われる。