「ゆっくり菓子でもつまみながら話でもしよう。…鷹くんにも、私から礼を申し上げたい」


「…あ……、スゲー似てる……」



それは殿様がまぶたを伏せた瞬間だった。

無意識に鷹はつぶやいたのだ。


くっ!と、目頭を押さえる殿様。


私はどこか、この人が父親ということに納得してしまった。



「で、でっ、どこが似ていると?」


「あっ、えっと、その、先ほどの仕草といいますか…」


「顔は?顔のほうは?ほら、言うだろう?娘は父親に似てくると」


「そ、そういえば目…、目元が……雰囲気そっくり、で」



圧に押し負けそうな鷹。

広々とした一室に通されたあとは、お茶や和菓子を口に入れる暇のないくらいの質問攻めが待っていた。


………主に鷹に。



「まことか!聞いたか久兵衛!羽留は私に目元が似ているのだと!」


「ええ。私もそう思いました」


「なんだ水くさいぞ久兵衛!そうならさっさと言わぬか!」