嘘をついている人間の焦り具合ではなかった。
彼は本気で焦っている、本気で訂正しようとしている。
私たちはなんとなく警戒心を緩めて、なんとなく心を静めた。
「お礼はもう貰っていますので…。そんなに気にしないでください」
「……防犯面が非常に危ないですね」
「え?」
「このお家です。鍵はかけられるのですか?」
「あ、えっと…、そこのホウキを立て掛けて、」
「……なるほど」
ふむふむと、なにかを考えている模様。
室内をチラッと覗いてふむふむ、周りを見渡してふむふむ。
「じつは私、大工をやっておりまして。よろしければ家をお造りさせていただきたいな、と」
「え…」
「まっじで!?家っ、は!?オレたちに造ってくれるのか…!?」
「はいっ!もちろんでございます…!」