裕福層から見れば私たちのお家は家畜小屋なんだ……。
身なりはごく普通の町人という感じがするけれど、たまに聞くのは格上の人間ほど姿を隠したがる……と。
「ちなみにですが、鷹くんとウルさんはどのようなご関係で……?」
私たちの醸し出す空気が凍てついた。
その質問を受けることは2回目。
鷹はすぐに私を守るように前に出て、眼光を鋭くさせる。
あんな思いするのはもうたくさんだ。
あの日から狂ってしまったの、私たちの時間は。
「勧誘か?女衒か?わりぃーけど、金より大事なモンがここにはあんだよ」
「勧誘…?いったいなんのことを…」
「しらばっくれんな。たとえここに500両出されたって、オレたちはこの家畜小屋で生活してやるよ!」
「ちょ、ちょ、待ってください…!大きな勘違いをしていらっしゃいます!私はただっ、本当にあのときのお礼をと……!!」