そう、吉原の場所を教えただけて小判をくれたおじさんだ。
「さてはおまえっ、ウルのこと着けてきたんだろ!」
「まさか!そんなはずはありません!たまたま、ええ、たまたまでして…!」
さすがに私も家まで来られると怖くなる。
鷹がいてくれて良かった…。
ひとりだったらって考えると、ゾッとする。
「うるひ…、ウルさんとおっしゃいましたね?そして君は鷹くん。おふたりはこちらの……、家畜小屋に住まわれていらっしゃるのでしょうか…?」
「なっ!失礼なヤツだなおまえ…!!これでもオレとウルが頑張って作った家だっつーのに……!!」
「もっ、申し訳ございません…!とてもご立派で!ええっ、ええっ、よくできたお家でございます…!」
「……逆に嫌味にしか聞こえねーよ」
家畜小屋って……。
やっぱり吉原に行くことができる人間はお金持ちなんだということがよく分かる。