「…今夜は俺を朝まで買うってこと?」
甘く聞かれて、ぎゅっとつむった目ごとうなずく。
「俺は見た目より意外と激しいよ?」
「は、はげしい…?」
「…言わせるのかい」
「っ…、」
こういうところ、すごくすごく吉原だなあって思う。
想像ばかりを膨らませて、期待ばかりを抱かせてくる。
「お、おさけっ」
「へ?」
「お酒っ、飲みたいです…!」
いきおい、こうなったら勢いだ。
私は脱ぎ癖があるらしいから、ほどよく飲む程度に抑えて半分はお酒の力に任せよう。
「だーめ。たしかに可愛かったけれど、飲ませすぎると危険だってことも分かったから」
「だって…、酔わないと…」
「酔ったせいにする?……それは俺だろう?ウル」
「あ…っ、ぅ、」
思い出して腰がくねる。
酔ったせいと言っているわりには、緋古那さんこそ覚えているだなんて。
あなたの嘘は巧みなようで、案外わかりやすい。