「でも今までよりは頻度が減ってしまうかもです…」


「…まあ、それはね。俺としてはウルに会えるだけ嬉しいから」



そんなことを言われると、せっかく来た今日に甘えてしまいたくなる。

私はあなたの顔を見るだけじゃなく、たくさん触れて欲しいと望んでいる。


知らないところまで、まだ誰にも触れられたことのない場所まで。



「なので今日は……奮発しようと思ってて…、」


「…奮発?」



そのために微力ながらにもお金を稼いできたのだ今日は。

緋古那さんには内緒だけれど、町人から庭の草むしりや雑用を引き受けて。


といっても結局は緋古那さんのお金には敵わないけれど。



「今夜はずっと……ここにいます」


「……………」


「…今日は…帰らないです」



髪を整えてきた。
帯の結び方を少しだけ変えてきた。

それはお金をかけずともできることだ。


本当は女としてそこにかけたい気持ちもあるが、緋古那さんと今日、ずっと一緒に過ごすために。