「おまえ……、髪……すこし伸びた…」



ドンドンドンと、強く戸が叩かれた音に起こされた夜。

鍵の代わりに立て掛けてあったホウキを手にしながら開けた先に。



「っ…、鷹……っ!」



ボロボロな血だらけで、今にも倒れそうな姿をした鷹がいた。



「……なにがあったの…、鷹」



そのまま倒れ込んできた鷹を私は介抱するため家に上げた。

それまで寝ていた布団に寝かせ、熱を出しているようだったから手拭いを濡らして額に置いてあげる。


翌日は一日中、私は鷹の看病に時間を費やした。



「食べられそう…?」


「…口んなか……、いてえ……」


「…うん。でも、食べないと熱も治らないから。身体もそのあと拭くね」



玄米を買う習慣はもともと私にはなかったから、さつまいもをとろとろになるまで煮込んだものをお粥代わりにあげた。