けれど引き下がるつもりはないようだ。
なんでもいいと、水月さんは見た目よりしつこい人だということは私も知っている。
「ええ…、こんなこと友にわざわざ言いたくはないけどさ。おまえ今日、わりと気持ちが悪いよ水月」
「……………」
「で、なにを企んでいるのかな」
「……………」
腕を組んだ緋古那さんと、場が悪そうに項垂れている水月さん。
母親に問い質されている子供みたい……。
と、矛先はなぜか私へと。
「ならその女を借りる」
「…今日はどうしても嫌だって言ったら?」
「今日はどうしても借りる。と、返す」
え、え、、、。
ずんずん迫られて、ガシッ。
「わっ、私も今日は緋古那さんと一緒に居たいですっ」
「緋古那のことを思うなら、それこそ今日は俺と来い」
どういうこと…。
説明が足りなすぎるの、この人は。