………あれ。

どうして私、こんなにも気になってしまっているんだろう。


ただ、私はかなり、緋古那さんのことを心配していることは確かだった。



「ただの雑用だよ。俺は滅多に客を取らないで有名だからね」



変わったところはとくにない。

具合が悪そうだとか、なにか思い詰めているところがあるとか。


それすら滅多に見せてくれないのも緋古那さんの特徴ではあるのだろうけれど…。



「……お嬢さん。俺の顔になにか面白いものでも?」


「あっ、いや…!お、お綺麗な……お顔を、しております…」


「ふはっ!くくっ、…なあにそれ」



わ……、こんなにも笑っているところは初めてかもしれない。

綺麗に骨格を引き上げるんだ…。


普段より幼く見えて、私はこっちのあなたも好きだと言ってしまいたくもなる。