《きれいに咲いていた菜の花、ウルに贈り物です》



手紙に付けられていた黄色い花びら。
簡素な文字と、花。


緋古那さんを表すものはこれだけで十分だった。


お金を貰っておきながら見世に顔を出さない女など、捨てられるまで時間の問題のはずなのに。

どうしてこの人は……。


あの街は、くるしい。



「…ダメだ、ぜんぶ盗られちゃってる……」



庭の畑にある野菜は、見事に全滅していた。

ひとりで耕すにも一苦労、ひとりで収穫するも一苦労、お金をそこには使わなかった私は動物避けを一切していなかったのだ。


これは自業自得というもの。



(………来た……)



あなたも懲りないひとだ。

教えられるものは教えたはずだというのに、あとは鷹の何を知りたいというの。