翠くんのことを考えていたら切なくなって、目尻に涙が滲み始めた。

「会いたいよ……せめて、元気にしてるかだけでも知りたいよ……」

 たまらず小さくなって膝に顔をうずめた。
 すると、蒼依くんのため息交じりの声が聞こえた。

「分かったよ、苺花」
「……?」

 なにが分かったのかわからなくて、顔をあげた。

「見に行くだけだよ」
「え……?」

 蒼依くんがよっこらしょ、と腰をあげた。

「約束して。絶対俺から離れないこと。勝手なことはしないこと」
「!そ、それって、」

 蒼依くんは不機嫌そうに言う。

「連れてってやるよ。羽根村のとこ」
「蒼依くん……!!」