「こいつらどうしましょう。反省部屋ぶちこみますか」
「橙に任せるよ。俺たぶん手加減できないから」
「うす」

 は、反省部屋? それに手加減できないって……何を手加減できないと言うのだろう。
 そこで気をつけしている新入りたちが揃って震えあがったので、つられて私もぶる、と身の毛がよだった。

 さすが龍乱會の総長。
 その辺の不良たちと違って話し方にも品があるのに、すごい威圧感。
 ていうか、この声……私の好きな人に似てて、ちょっとドキドキしてしまう。

 カツン、カツン、と足音がこちらに向かってきた。

 わ、わ、こっち来る……!

 これからいったいどうなってしまうんだろうって恐怖と、有名人が見れるってちょっとした好奇心に心臓が早鐘を打った。
 それでも恐怖が勝って顔を俯かせたままでいると、足音がすぐそこまで来て、私の前で止まる。