明志くんとお皿を洗い終えた私はお風呂に入ってパジャマに着替え、髪をタオルで拭きながらリビングに戻る。
 これから毎日ピッタリ護衛をつけられちゃったら、翠くんに会うタイミングがなくなっちゃうよ……翠くんになんて言おう。

「おいで苺花。髪乾かしてやるよ」

 キッチンで水を飲んでいたら蒼依くんがドライヤーを持って声をかけてくれた。
 蒼依くんはいつも私の長い髪を乾かしてくれる。
 毎朝髪を可愛くしてくれてるのも蒼依くん。将来は美容師になってたくさんの女の子を可愛くしたいんだって。

「やっぱ苺花の髪は柔らかくて綺麗だな。大事にしろよー」

 丁寧に髪をすくう蒼依くんの手は心地よくて、私はこの時間が結構好きだったりする。

「でもショートとかボブも憧れるなぁ」
「だめ。アレンジの幅が減るだろ」
「フフ、はぁい」

 蒼依くんに優しく髪を乾かしてもらいながらボーッとしていると、考えてしまうのはやっぱり翠くんのこと。

「……苺花。なんかモヤモヤしてることある?」

 鏡越しに目を見て聞かれて、ドキッとする。

「え……?」
「そういう顔してる」

 蒼依くんはいつも一番に私の異変に気付いてくれる。
 これまでもなにかあったら蒼依くんにたくさん相談してきた。