「できたぞー」

 そこで蒼依くんが全員分のオムライスを食卓に並べて、声をかけてくれた。

「あ、はーい!行こうっ、ゆずくん!」

 た、助かった……!
 まだ何か言いたそうにするゆずくんの背中を押して食卓に行き、みんなが席につくと手を合わせた。

「「「「いただきます!」」」」

 さっそくとろとろ卵のオムライスをスプーンで掬って口に入れる。
 
「んん〜っ」

 やっぱりみんなと食べるごはん、美味しい。
 再婚する前、お母さんは遅くまで仕事してていつも一人だったから、余計にそう思う。

「美味しい?」

 蒼依くんが優しい微笑みで私に聞く。

「うん!」

 とびきり笑顔で答えると、みんながホッとしたように穏やかな笑みを返してくれた。
 その表情で、三人がどれだけ私のことを心配してくれてたのか、手に取るように分かった。

「……みんな、今日はありがとう。心配かけてごめんなさい」

 頭を下げると、みんなが困ったように笑う。

「まったくだ」
「まぁ無事でよかったよ、ほんと」
「もし苺花になにかあったら僕……なんでもない」

 ゆずくんが何を言おうとしたのか気になったけど、聞かないでおくことにした。