感心していると、ゆずくんが小さな声で呟く。

「苺花がちょろすぎてお兄ちゃん心配になっちゃうな……」
「?」
「んーん、なんでもない」

 どういう意味かなって不思議に思っていると、ゆずくんが不意に真剣な顔を近づけてきた。

「苺花さぁ。向こうの総長となんかあった?」
「え!?な、なんでそう思うの……!?」
「なーんかよく目合わせてた気がして」

 ゆずくんは私の目の奥にある考えを読みとろうとしてるのか、ジトーッと見つめてくる。

「そ、そうかな、気のせいじゃないかな……!」
「いや、気のせいじゃない。なんかあったでしょ」
「ないっ、ないよっ、なんにもない!」
「ほんとにー?」

 私は必死にうんうんと首を縦に振る。

「ふーん……?」

 そんな私をゆずくんは疑ってるのか、ジー……ッと見つめてくる。