「苺花!無事でよかった……!」

 続いて明志くんと蒼依くんも駆け寄り、さっきとは打って変わって優しい声をかけてくれる。

「よしよし、怖かったな」
「大丈夫か?なにもされてない?」

 心配そうな三人にじっと見つめられて、赤くなった手首のことを思い出す。
 これを見られたら、お兄ちゃんたちが怒って大乱闘が始まっちゃう……!

「なんにも!なんにもされてないよ、ほんとに!むしろなんか楽しかったかも!」

 赤くなった手首をさりげなく隠しながら、必死に首を横に振った。
 お兄ちゃんたちが少し表情を和らげたので、ホッとする。
 明志くんはわたしを自分の背中側に来させると、龍乱會に向けて最後のセリフを放つ。

「苺花に免じて今日のところはこれでしまいにしてやる。……が、今後苺花に指一本でも触れてみろ!ただじゃおかねーからな!!」
「指一本も!?」

 翠くんが目を見開いた。

「できかねます!」

 精悍な顔つきで言いきった龍乱會総長兼、私の彼氏。
 明志くんたちに「ああ!?」と睨まれてようやく翠くんがハッとする。私は小さく首を横に振る。