「てめぇうちの苺花さらってどういうつもりだ、ああ!?出てこいやコルァ!!!!」

 先代がやめて弱小チームだったERRORsを立て直し、百人近いチームにまでのし上げたERRORsの三代目総長・藤堂(とうどう)明志(あかし)
 明志(あかし)くんの鍛え上げられた筋肉質な体から発せられるその覇気は、その場にいる龍乱會のメンバーたちがそれだけで腰を抜かすほど。

 やばい、明志くんすっごく怒ってる……!

 燃えるような赤い短髪は先代へのリスペクトで、ERRORsを守るっていう明志くんの強い覚悟がこめられてる。根性、男気をその背中に背負ってみんなを引っ張っていく明志くんはみんなから信頼されてる、誰もが認めるERRORsのトップだ。
 そんな男が憧れる男・明志くんは、私のことになると人が変わってしまう。
 私を溺愛しすぎちゃってるのだ。
 その溺愛っぷりは両親が再婚する前、『近所の幼なじみ』だった頃からずっと変わらない。
 私が怒っても泣いても、何をしても可愛い可愛いと猫可愛がりしてくる。
 そして度を超えた過保護。
 門限を一分でも破ると鬼のように連絡が来る。そう、いわばお父さんなのだ。
 こんなことがあったらきっとこれから過保護が加速しちゃうなって、気が重い。
 そして過保護な明志くんは、今にも人を噛み殺しそうな勢いで怒っている。

「出てこいや羽根村ぁ!!」

 ……私の、彼氏に向かって。