「ま、待って翠くん!何しに行くの!?」

 禍々しいオーラが漂う翠くんの背中に慌ててすがる。

「決まってるでしょ。落とし前つけに行くんだよ」

 落とし前!?
 落とし前っていったい何をするのかよくわからないけど、このまま翠くんを行かせちゃダメだって私の本能が叫んでる!!

「私、全然なんともないよっ!なにもされなかったよ、ほら元気!すっごく元気!」
「離して苺花。俺は大事な彼女を傷物にされて黙ってられるほど穏やかな人間じゃないんだ……!」
「大袈裟だよ翠くん!それに、急に私をかばうようなことしたらみんな困惑するんじゃないかな……!?」

 私の言葉を聞いて翠くんがピタリと動きを止めた。

「…………確かに」

 翠くんから、禍々しいオーラが消えた。
 ひとまず下で抜け殻になってる彼らの尊い命を守れたようでホッとする。