「……お前と会えなくなってから苺花は、酷い落ち込みようで……俺たちがどれだけ好きなもの与えても楽しい場所に連れてってもずっとぼんやりして、魂がぬけたようだった」

　明志くんの背中がなんだか寂しく見えて、胸が苦しくなった。

「もう苺花のあんな姿を見るのは、俺たちもしんどいんだ」

　そう言った明志くんの隣の蒼依くんは困ったように笑って、相変わらず私にくっついたままのゆずくんはムスッとしながらも黙ったままでいる。
　明志くんが、翠くんの胸を拳で軽くトン、と叩いた。

「泣かせたら、承知しねぇぞ」
「……！」

　明志くんが、認めてくれた……！？
　ハッと翠くんと目を合わせる。

「翠くん！」

　感極まって、いてもたってもいられなくなって翠くんの元へ駆けだす。

「苺花！」

　翠くんも目尻に涙を浮かべながら、嬉しそうに手を広げた。
　その胸に飛び込もうとしたとき、

「ただし！」
「わぶっ！？」

　私が飛び込んだのは間に入ってきた明志くんの胸の中だった。